
骨盤の中に位置する西洋ナシのような形をした臓器で、上方3分2を子宮体部といい、下方3分の1を子宮頸部といいます。
子宮体部の内側は粘膜(子宮内膜)でおおわれ、その下に不随意の平滑筋でできている筋層、さらに子宮の外側をおおう漿膜があります。
子宮平滑筋にできた良性の腫瘍を子宮筋腫、子宮内膜を形成する組織が、子宮以外の場所に出現する病気を子宮内膜症といいます。
■子宮筋腫とは?
【原因】
他の腫瘍と同様、真の原因は不明ですが、発生や増殖に、女性ホルモンのエストロゲンが関係していることはまちがいなく、閉経後に、エストロゲンの分泌が少なくなくなると、筋腫はそれ以上大きくならず、縮小することさえあります。
子宮筋腫が発生する頻度は、無症状のものを含めると約20%に達します。
30歳代から多くみられるようになり、閉経後は激減します。
子宮筋腫の発生や発育には、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)が関係しているといわれています。
【症状と経過】
筋腫がだんだん大きくなると子宮内膜に影響が現れ、生理痛や腰痛、おりものの増加などがあり、不正子宮出血や不妊の原因となります。また、子宮の外方へ向かって増殖すると直腸や膀胱を圧迫し、便秘や頻尿の症状も現れます。
【注意】
子宮筋腫はごく小さいものまで含めると、女性の半数以上に存在するといわれています。
筋腫は多発することが多く、症状が強い場合は手術が必要となります。
■子宮内膜症とは?
【原因と種類】
子宮内膜の組織がどのようにして他の場所に広がるかについては、いくつかの説があります。
筋層のあいだを分け入って子宮壁に散らばったり、あるいは卵管経由で、卵巣や腹腔に達するという説。
各部位が独自に子宮内膜を形成するという説、などです。
子宮壁など子宮内の病変は腺筋症と呼ばれ、卵巣など子宮外にできるものを子宮内膜症(または外性子宮内膜症)といいます。
【症状】
多くの場合、月経困難を訴えます。月経とともに、病変部からもしばしば出血し、卵巣内にできると、チョコレート嚢胞と呼ばれる大きな袋状の組織を形成します。
【注意】
子宮、卵巣、骨盤内にできやすく、30〜40歳代に多いです。ホルモン療法で効果がなければ、手術により、子宮、卵巣などの病変部が切除されます。
■子宮筋腫の漢方処方?
子宮筋腫は、漢方では「お血」(血液の滞り)と考え、主に血液の滞りを取り除く「駆お血剤」を用いて治療します。ただし、漢方で適用する範囲は鶏卵大までであり、それ以上のものは難しいです。
<よく使われる漢方処方>
桃核承気湯:【実証】左下腹部の抵抗圧痛が著明で、便秘がちなもの。
桂枝茯苓丸料:【実証】ときに月経の異常を伴い、腹痛が起きやすく、左下腹部の抵抗圧痛が認められる。
折衝飲:【虚実間】月経痛が強く、経血の中に凝血をまじえる傾向があるような場合。
温経湯:【虚証】下腹部が冷えてしばしば痛み、夜床に入ると、手足がほてって気持ちが悪く、諸種の月経異常があり、下腹部に軽度の抵抗圧痛を認める。
きゅう帰調血飲第一加減:【虚証】お血・冷え(寒滞)・気滞という“血・寒・気の滞り”を改善するはたらきが特徴であり、「お血が関係する症状」に書かれている内容に加え、イライラしたり、精神的にスッキリしなく、顔色が青白く元気のない状態の不妊症などに応用されます。
<お血が関連する症状>
○下腹や鼠径部に凝りと痛みがあり、生理の前や生理中に痛みが強くなる。
○月経中にレバー状あるいはゼリー状で粘りのある黒褐色の血の塊が混じる。
○顔色や肌の色が悪く、くすみや肌荒れがある。
○唇や舌に紫色のまだら(お斑)がある。
お血を改善する「活血化お」は子宮や卵巣などの骨盤内臓器周辺の血流を改善して、子宮筋腫や子宮内膜症、癒着などが起こらないように作用します。
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